小国町
DANKE(ダンケ)
卒業を前に、同級生から卒業したらアメリカに行こうかな。という言葉を聞いて刺激を受けた佐藤さん。まだあまり普及していなかったホームページなどを使って日本の次に治安の良い国がドイツと知り、両親を説得に。
その後、10歳ほど歳は離れているが同じ小国町の先輩がドイツでソーセージ製造のマイスターを取得して、帰国していることを紹介してもらい、ドイツの情報をさらに聞くことでよりドイツへの興味が強まる。
ドイツといえば、ビールかパンという自分のイメージがあり、パン職人を目指すことに。
その原動力は、「とにかく町から出たかった」
若いパワーを動かす原動力には十分の理由だったのだろう。
いよいよドイツでの生活がはじまった佐藤さん。まずは、先輩に教えてもらったようにドイツ語を学ぶため、ドイツ語学校にて3ヶ月集中講座を受講。その後、ややペースを落としながらも語学学校へは週2〜3日通いながら、パン屋さんを巡り仕事を探すことに。
ところが、どこに行っても全く話を聞いてもらえない。滞在ビザの期限も近づき焦るが、なかなか話が進まない。
ようやくわかったことが、「働きたい」とドイツ語で話していたが、「修行したい」と言わなければならなかったこと。言葉の壁を感じた
ドイツでは、職場を見つけて仕事をしながら、専門学校で学ぶというシステムだということがわかり、ようやく一歩進むことに。
ほぼ全てのパン屋さんに行きつくしていたが、1件だけ躊躇して入れなかったパン屋さんがあった。
意を決して、そのパン屋さんに行くと、シェフが話を聞いてくれることに。以前に日本人が働いていたこともあって、念願の修行を受け入れてもらえることに。
ただ、受け入れが決まってからも、外国人採用のための書類を用意するために、いくつかの役所をに何度も足を運ぶことになり、ここでも言葉の壁を痛感することに。
パン屋での修行がはじまったものの相変わらず、言葉の壁には悩まされ、職場でもなかなかコミュニケーションがとれないことで他人のミスを自分にミスにされたりと、改めて言葉の重要性を知ることに。
それに加え、パン屋さんの修行とあわせて専門知識を学ぶための学校へ通う生活はかなりハードだった。
1:00〜10:00くらいがパン屋さん、一度帰って仮眠をとり14:00に起きて専門学校へ。帰宅後20時頃眠り翌日0時には起床し出勤の準備というスケジュール。
「なんども歩きながら寝たり、力尽きて家まで帰れず途中で座り込んで寝てしまったり、本当にきつかった」当時のことを振り返る佐藤さん。
その努力の甲斐があり、パン職人のマイスターの試験にも合格し、ドイツ語についても徐々に話せるように。
ドイツ語を話せるようになると、「職場では年齢や役職など関係なく意見を聞いてくれて、改善できるところは受け入れてくれる。これがドイツのいいところだと思う」
実は佐藤さん、ドイツ滞在中に一度日本料理店で日本の人と働いた期間があったが、ドイツの職場しか知らなかった佐藤さんにてみると、日本流には違和感を感じたそう。
ドイツの職場では、言いたいことは言い合い時には意見の食い違いもあるにも関わらず、仕事が終われば仲良し仲間。仕事をプライベートに引き摺らないスタイル。
日本に帰ってきてからあらためてドイツの職場環境の良さに実感することもあったとか。
12年間のドイツでの暮らしを経て、30歳を前に故郷小国町に帰郷することに。
「私は長男なので、ドイツに行く前から30歳になったら帰ってくる」と決めていたそうだ。
帰国してみて「貴重な経験をしたドイツの生活でした。高校卒業後の進路選びは1回しかないので、ぜひチャレンジしてもらいたい。」
小国町に帰ってきてからは、ソーセージ職人の先輩のお手伝いをしながら、パン屋開業の準備を行い。先輩店舗の隣にパン屋さんをオープン。
2023年10月には新たな場所へ移ってリニューアルオープンの予定とか。
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