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高森町

中村 和生 さん

Dagomaru Spice

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東京のバーテンダー&飲食店経営のスペシャリストが阿蘇へ

東京のバーテンダー&飲食店経営のスペシャリストが阿蘇へ

高森町の新名所「サクラミチ」に心を動かされ

「桜の季節にぜひサクラミチへ」という高森町に住む中村さん。「ここの景色は最高です。だから家も高森町に建てました。」その“サクラミチ”とは高森町にある大阿蘇造園さんが作った新しい阿蘇の名所となりつつあり、桜の季節にあるイベントには数多くの人が訪れる。
実はそのイベントの仕掛け人が今回インタビューした中村さん。
中村さんは、東京吉祥寺で生まれ育ち、夢だったバーテンダーを銀座・六本木の店舗で実現。数々のレストランの勤務経験も併せ持ち、ときには経営の傾いたレストランを立て直すなど、飲食店経営のスペシャリストでもある。

なぜ東京のレストラン経営のスペシャリストが阿蘇の高森町に?

高森町に来ることになったのは、当時務めていた飲食店のグループ企業が高森町へ進出。その際、社員の食事を心配したグループ経営者が高森町に社員食堂を作ることになり、飲食店経営実績のある中村さんに声がかかったという。そのときは新型コロナの蔓延がすでにはじまっており、都内の飲食店は軒並み営業ができない状況と重なり一度も来たことのない熊本県へ。地方の飲食店経営にも携わっていたこともあり「都内よりも地方のほうが工夫しがいがある」と感じていて、それほど抵抗なく見知らぬ土地へ来ることに。

その後ほどなくして、グループ会社からイベント時に飲食で売り上げができないかと相談を受け、熊本に来てから数が多いなと感じていた“キッチンカー”に着目。実はその頃から「このまま高森町に住んでもいいかな」とも思いはじめていたこともあり、自らキッチンカーを購入。イベント時に出店し見事売上を上げることに成功。会社からは副業を許可されていたこともあり、その後はキッチンカーをベースにオリジナルコーラの商品開発をして、ハンバーガーと一緒に販売するなど着々と実績を上げていくことに。

一方で、都会と違って夜の時間を持て余すようになり、以前から飲食店のコンサルティングをする際に、必ずメニューの刷新やホームページのリニューアルが必要になることを思い出し、デザイン制作やWebサイト構築のオンライン講座を受講。後にこの経験が非常に役に立つことに。

勤め先を退職しキッチンカーをメインの仕事に

「バーテンダーになる夢は、銀座・六本木のお店で実現したから、田舎暮らしもいいかな」と思い、当初予定していた高森町での任期を前に会社を退職。
そのまま高森町に住み続け、副業だったキッチンカーをメインの仕事として独立。「だごまるスパイス」として阿蘇の食材を使ったカレーの提供を開始。それとあわせて、熊本県に多くあるキッチンカーの人たちと“熊本県キッチンカー協会”を立ち上げることに。オンライン講座で学んだデザインの知識を活かし協会のロゴマークや名刺、ホームページなどの制作を行いサポート。今では熊本県キッチンカー協会の理事にも就任している。

そして、独立後はじめてのイベントが「サクラミチ」でのキッチンカーフェス。大阿蘇造園さんに依頼して桜の季節にイベントを開催。予想を上回る集客で延べ10万人ほどが来場。大阿蘇造園さんにも喜んでいただき地域での信頼も獲得。現在も各イベントにキッチンカーを走らせながら、協会のサポートを行う日々に。

キッチンカー仲間の課題解決がこれからの目標

熊本県キッチンカー協会でいくつものキッチンカーの方々と交流するうちに、熊本県特有の課題に直面。東京や大阪、福岡などでは、オフィス街というランチ需要にキッチンカーが応えるというシーンが多く見受けられるが、ここ熊本県にはオフィス街という場所があまり見当たらない。そのためキッチンカーの平日の稼働が低い。この点に着目した中村さんは現在気軽にキッチンカーを誰でも呼べるようなスマートフォンアプリを開発中。利用者がいろいろな条件をアプリに入力すると対応可能なキッチンカーが表示されキッチンカーを呼ぶことができる。
実は中村さんは高森町の村祭りに呼ばれてキッチンカーで向かったところ非常に人気で、一人でたくさん購入していただいた経験を活かして、平日のランチはもちろん、田舎祭りでも気軽に呼んでもらえるような仕組みを作りたいと考えている。

確かに都市部では飲食店が多く好きなレストランに行きやすいが、田舎で飲食店は限られる。そこに普段食べることのないメニューを提供してくれるお店がやってきてくれたら地域の人も喜ぶだろう。
今後の展開が楽しみな中村さんでした。

Dagomaru Spice(だごまるスパイス)

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